2026.08.12
制作会社選び・発注
ホームページ制作会社の選び方|発注前に確認したい16のポイント
ホームページ制作会社は「自社にとって良い会社」を選ぶ
ホームページ制作会社を探していると、たくさんの会社が出てきます。
制作実績も違えば、料金も違います。50万円の会社もあれば、100万円、200万円、それ以上になることもあります。
「結局、どこに頼めばいいのか分からない」
初めてホームページを発注する場合は、特にそう感じると思います。
制作会社を選ぶときに、最初に知っておいてほしいことがあります。
それは、すべての会社にとって「良い制作会社」が同じではないということです。
デザインのクオリティを最優先する会社もあれば、問い合わせを増やしたい会社もあります。
細かく相談しながら一緒に作りたい会社もあれば、専門家にある程度任せたい会社もあります。
予算をできるだけ抑えたい会社もあるでしょう。
つまり、制作会社を選ぶ前に考えたいのは、
「どこが一番良い制作会社か」
ではなく、
「自社にとって、どんな制作会社が良い会社なのか」
ということです。
この記事では、発注側と受注側の両方で制作に関わってきた経験をもとに、ホームページ制作会社を選ぶときに確認したいポイントを整理します。
1.制作会社を探す前に「何のために作るのか」を決める
制作会社を探し始める前に、最低限決めておきたいことがあります。
何のためにホームページを作るのか
誰に見てほしいのか
まずはこの2つです。
例えば、
・Webサイトから問い合わせを増やしたい
・検索から集客したい
・採用応募を増やしたい
・商品やサービスを知ってもらいたい
・古くなった会社サイトを新しくしたい
・会社の信用のためにホームページを持っておきたい
では、必要なホームページが違います。
検索から集客したいのであれば、公開して終わりではありません。
記事やコンテンツを追加していくのであれば、社内で更新できるCMSが必要になるかもしれません。
一方で、「まず会社のホームページがあればいい」という目的なら、そこまで大掛かりな仕組みは必要ないこともあります。
目的によって必要な機能が変わり、必要な機能が変われば、選ぶ制作会社も変わります。
そのため、制作会社を先に探すのではなく、まず「何を実現したいホームページなのか」を整理しておくことが大切です。
2.見積もりを取るなら、もう少し条件を整理する
制作会社を探すだけなら、
何のために作るのか
誰に見てほしいのか
の2つでも始められます。
ただし、実際に見積もりを取るのであれば、もう少し条件を整理しておいた方が比較しやすくなります。
・予算の目安
・希望する公開時期
・社内の担当者
・文章を自社で用意するのか
・写真を自社で用意するのか
・CMSなど更新機能が必要か
・問い合わせフォームや検索機能など必要な機能
このあたりです。
条件が曖昧な状態では、制作会社側も正確な見積もりを出せません。
A社は写真撮影込み、B社は写真支給、C社は原稿作成まで含む。
この状態で総額だけ比べても、正しい比較にはなりません。
相見積もりを取るのであれば、できるだけ各社へ同じ条件を伝えることが重要です。
ホームページ制作の見積もりの見方について詳しくはこちら
3.予算に無理やり目的を合わせない
もちろん、予算は重要です。
予算以上のお金を使うことはできません。
ただし、「予算30万円だから30万円でやってくれる会社を探そう」と、価格だけを基準に制作会社を決めると、本来やりたかったことができなくなる可能性があります。
例えば、
・検索から集客したい
・コンテンツを増やしたい
・CMSを入れたい
という目的で制作会社を探したところ、必要な内容では予算を超えてしまったとします。
この場合、一番安い会社に頼んで必要な機能を全部削ってしまうと、最初に決めた「検索から集客したい」という目的そのものを達成できなくなるかもしれません。
その場合は、大きく2つの考え方があります。
一つは、目的は変えず、将来拡張できるように下地だけ作っておく方法です。
例えばCMSは最初から入れておき、記事の制作や本格的なSEO施策は後から始める方法です。
もう一つは、予算に合わせて今回の目的そのものを変える方法です。
「今回は集客サイトではなく、まず会社案内としてホームページを整える」と決めるのであれば、それも一つの選択です。
ただし目的を変えたのであれば、制作会社へ伝える条件も変わります。
その条件で改めて見積もりを取り直した方が比較しやすくなります。
4.制作実績は、まず「見た目」を見てもいい
制作会社を選ぶとき、多くの人が最初に見るのが制作実績だと思います。
ここで、
「デザインだけで制作会社を選んではいけない」
と言われることがあります。
確かに最終判断をデザインだけでするのはおすすめしません。
ただ、候補を探す段階では、デザインの見た目は十分に判断材料になります。
一般の発注担当者が、掲載されているサイトを見ただけで、
・この情報設計は優れている
・この導線設計は合理的だ
・このUIは目的に合っている
と判断するのは簡単ではありません。
それなら、
・このデザインが好き
・このくらいのクオリティなら頼みたい
・自社もこういう雰囲気にしたい
という感覚で候補を絞るのは悪いことではありません。
ただし、実績ページに、
・どんな目的のサイトだったのか
・誰をターゲットにしたのか
・なぜこのデザインにしたのか
などが書かれている場合は、そこまで読んでみてください。
5.実績画像だけでなく、実際のサイトも触ってみる
可能であれば、制作実績の画像を見るだけではなく、実際に公開されているホームページも見てみましょう。
専門知識がなくても、
・何の会社なのかすぐ分かるか
・欲しい情報を探しやすいか
・スマートフォンでも見やすいか
・問い合わせ先を見つけやすいか
・操作していて分かりにくいところがないか
こういったことなら確認できます。
デザインの見た目は良くても、実際に触ると使いづらいこともあります。
逆に、派手なデザインではなくても、情報が整理されていて非常に使いやすいサイトもあります。
ホームページは見るだけではなく、ユーザーが実際に使うものです。
実績として紹介されているサイトが残っているなら、一度触ってみることをおすすめします。
6.実績が良くても「誰が担当するのか」は別の話
これは実際に制作会社へ外注したときに経験したことがあります。
制作会社の実績を見て、デザインのクオリティが良いと感じて依頼したものの、実際に自分の案件を担当したデザイナーのデザインは、期待していたものとは違いました。
制作会社には複数のデザイナーやディレクターが所属していることがあります。
そのため、制作会社のサイトに掲載されている実績を作った人が、自社の案件を担当してくれるとは限りません。
特にデザインを重視して制作会社を選ぶ場合は、
・実際に誰が担当するのか
・担当者はどんな制作実績があるのか
・今回の案件にどのような体制で取り組むのか
まで確認できると安心です。
「会社としての実績」と「自社案件を担当する人」は、分けて考えた方がいい場合があります。
7.相見積もりは、初めてなら5社程度でもいい
相見積もりは何社取ればいいのか。
一律に「3社が正解」とは考えていません。
初めてホームページ制作を発注するのであれば、5社程度から見積もりを取ってみるのも一つの方法です。
初めてでは、そもそも、
・いくらくらいかかるのか
・どんな項目があるのか
・どこまで制作会社がやってくれるのか
が分かりません。
複数社を見ることで、価格や対応範囲の違いが分かってきます。
一度ホームページを発注した経験があり、価格感や進め方がある程度分かっているのであれば、3社程度でも比較しやすいでしょう。
もちろん、5社でも10社でも見積もりを取ること自体はできます。
ただし、増やせば増やすほど、
・問い合わせ
・打ち合わせ
・見積書の確認
・質問
・社内検討
・断りの連絡
などの手間も増えます。
特に注意したいのが、見積書には残らない情報です。
・返信が早かった
・説明が丁寧だった
・こちらの質問を理解してくれた
・融通が利きそうだった
・電話中心だった
・メール中心だった
・担当者と話しやすかった
こうした情報は、5社、10社と比較しているうちに分からなくなってきます。
相見積もりを多く取るなら、金額だけではなく対応についても簡単にメモしておくと比較しやすくなります。
8.安い会社を探すこと自体は悪くない
相見積もりで安い会社を探すこと自体が悪いわけではありません。
同じ目的を達成できて、同じような品質と対応をしてもらえるのであれば、安い方がいいと考えるのは自然です。
重要なのは、
「一番安い会社を探す」
のではなく、
「自社の目的を達成できる会社の中から、価格も含めて選ぶ」
ことです。
価格を優先するのであれば、それも自社にとっての制作会社選びの基準になります。
ただし、何を優先して何を諦めるのかは理解しておいた方がいいでしょう。
9.見積書は「項目数」ではなく、何が含まれているかを見る
ホームページ制作の見積書には、会社によってかなり違いがあります。
「ホームページ制作費」と「保守管理費」くらいしか書かれていない会社もあれば、
・ディレクション
・デザイン
・コーディング
・CMS構築
・フォーム制作
など、細かく項目を分けている会社もあります。
細かい見積書だから良い会社、ざっくりしているから悪い会社、というわけではありません。
初めてホームページを作る企業に「コーディング費」「CMS構築費」と専門用語を細かく並べても、かえって分かりにくいことがあります。
そのため、大きな項目でまとめたうえで、「この中にはここまで含まれています」と説明する会社もあります。
逆にWeb制作の発注に慣れている企業なら、細かく分けてある方が確認しやすいこともあります。
大事なのは項目数ではなく、
・今回必要なものが含まれているか
・何が含まれていないのか
・どんな場合に追加費用になるのか
を確認することです。
分からない項目があれば、見積書だけを見て判断せず、制作会社に聞いた方がいいでしょう。
10.見積書の出し方から、会社のスタンスが見えることもある
見積書そのものから、制作会社の考え方が少し見えることもあります。
・こちらの理解度に合わせて説明してくれるのか。
・専門用語について説明してくれるのか。
・何が含まれているか分かりやすくしてくれるのか。
・変更した場合の追加費用を事前に説明してくれるのか。
単純に「見積もりが細かいか」ではなく、発注側が判断できるように説明してくれているかを見てみてください。
ホームページ制作は、発注したら終わりではありません。
制作中にも何度もやり取りします。
見積もりを取っている段階での対応も、その会社と一緒に仕事をしたときの判断材料になります。
11.制作会社によって価格が違う大きな理由の一つは「人」
ホームページ制作では、会社によって見積金額に大きな差が出ます。
価格差にはさまざまな理由がありますが、大きなものの一つが、案件に関わる人数や専門性です。
例えば、
・営業
・ディレクター
・デザイナー
・コピーライター
・エンジニア
・SEO担当者
など、それぞれ専門の人が関われば、その分だけ人件費や管理コストがかかります。
一方、少人数の制作会社やフリーランスでは、一人の人がディレクションからデザイン、実装まで担当することがあります。
その分、費用を抑えられる場合があります。
だからといって、
・高い会社なら必ず良い
・安い会社なら品質が低い
とは限りません。
少人数でも、幅広い仕事を高いレベルでできる人はいます。
逆に、SEO、システム開発、CMSのカスタマイズ、コピーなど、複数の専門性が必要な案件なら、専門担当者がいる会社へ頼む意味があります。
金額だけを見るのではなく、
なぜこの会社はこの金額なのか
今回、自社にその体制が必要なのか
まで考えると比較しやすくなります。
12.「できます」だけではなく、どうやるのかを聞く
制作会社との打ち合わせでは、自社が特に重要だと思っていることを伝えてみてください。
例えば、
「ホームページから集客したいです」
と伝えたとします。
そこで、
「できます」
だけで終わるのか。
それとも、
・どんな方法が考えられるのか
・その会社では何ができるのか
・今回の見積もりではどこまで対応するのか
・別料金になるものは何か
まで説明してくれるのか。
ここには大きな違いがあります。
発注側が不安に思っていること、分からないこと、重要視していることに対して、こちらの立場に立って説明してくれるかは、制作会社を選ぶうえで大切な判断材料です。
ホームページ制作では、専門知識がない発注者と専門家である制作会社が一緒に仕事をします。
だからこそ、意思疎通ができるかどうかは重要です。
13.柔軟な会社が良いとは限らない。自社との相性を見る
制作会社には、それぞれ仕事の進め方があります。
相談しながら柔軟に対応してくれる会社もあれば、自社の制作フローやルールをしっかり決めている会社もあります。
柔軟な会社なら、制作途中に事情が変わったときも相談しやすいでしょう。
ただし、対応範囲が曖昧になりやすい場合は、「これは料金内なのか」をその都度確認する必要があります。
一方、制作範囲や進め方を細かく決めている会社なら、ルールは分かりやすいですが、途中で変更すると追加費用になることもあります。
どちらが正しいという話ではありません。
・細かく相談しながら進めたいのか。
・ある程度制作会社へ任せたいのか。
・自社の担当者がどんな進め方をしやすいのか。
ここまで考えて制作会社を選ぶと、発注後のストレスを減らしやすくなります。
14.発注後に揉めやすいのは「途中で変わったとき」
ホームページは、実際に形になって初めて分かることがあります。
発注時には良いと思っていたけれど、デザインを見ると変えたくなった。
実際にページができたら、別の機能も必要になった。
社内で確認したら追加の要望が出た。
これは珍しいことではありません。
問題になるのは、変更が発生することそのものではなく、
・どこまでが修正なのか
・どこからが仕様変更なのか
・追加費用は発生するのか
・納期は変わるのか
について、発注側と制作会社側で認識が違う場合です。
発注前にすべてを完璧に決めることは難しいからこそ、
「途中で変更した場合はどうなりますか?」
と確認しておくと安心です。
15.重要な条件は、口頭だけで終わらせない
発注側と制作会社のトラブルでは、
「言った」
「聞いていない」
「そこまでやってくれると思っていた」
という認識違いが起こります。
例えば見積書に、
「テキスト・写真は支給」
と書かれていても、発注側が制作会社で用意してくれると思っていれば、制作が始まってから問題になります。
重要な条件については、できるだけ記録を残しておいた方が安心です。
電話や打ち合わせで決めたことも、重要なものはメールなどで確認する。
デザインの希望があるなら、参考になるサイトや画像を共有する。
追加の要望を出したときは、料金や納期への影響を確認する。
すべてを契約書に細かく書くことは難しくても、認識のズレを減らすことはできます。
16.ドメインやサーバーを誰が管理するのかも確認する
ホームページの場合は、制作そのものだけではなく、公開後の管理についても確認しておきたいところです。
特に確認したいのが、
・ドメイン
・サーバー
・CMSなどの管理アカウント
を誰が契約し、誰が管理するのかです。
制作会社側で管理してもらうこと自体が悪いわけではありません。
管理をすべて任せられるメリットもあります。
ただし、将来制作会社を変更したくなった場合に、
ドメインを移管できるのか
サーバーを変更できるのか
必要なデータを受け取れるのか
管理アカウントを引き継げるのか
は確認しておいた方がいいでしょう。
ホームページは一度作れば何十年も同じ制作会社へ頼み続けるとは限りません。
「もし制作会社を変更することになったらどうなるのか」
という視点も、発注前に持っておくと安心です。
ホームページ制作会社選びで確認したいこと
最後に、この記事の内容をまとめます。
・何のためにホームページを作るのか
・誰に見てほしいのか
・自社にとって何を重視するのか
・制作実績のデザインが自社の感覚に合うか
・実際に公開されたサイトは使いやすいか
・誰が自社案件を担当するのか
・見積もりの条件が各社でそろっているか
・必要な作業が見積もりに含まれているか
・価格差にはどんな理由があるのか
・不安や質問に具体的に答えてくれるか
・自社の仕事の進め方と合っているか
・途中の仕様変更をどう扱うのか
・重要な条件を記録に残せるか
・公開後の管理やドメイン・サーバーをどうするのか
自社にとって「良い制作会社」の条件を決めてから探す
ホームページ制作会社選びで一番大切なのは、「一般的に評判の良い会社」を探すことではありません。
自社にとって良い制作会社がどんな会社なのかを決めることです。
・デザインを最優先したい。
・できるだけ費用を抑えたい。
・SEOや集客まで考えてほしい。
・細かい相談にも柔軟に対応してほしい。
・制作会社から積極的に提案してほしい。
・複数の制作物をまとめて任せたい。
会社によって、求めるものは違います。
その条件が明確になれば、制作実績、見積もり、打ち合わせで何を確認すればいいのかも見えてきます。
制作会社選びで迷ったときは、まず「自社にとって良い制作会社とはどんな会社か」を言葉にするところから始めてみてください。
制作会社選びや見積もり比較を、自社だけで判断できないときは
制作会社を比較しても、
見積もりの違いが分からない
どの会社が自社に合っているのか判断できない
この内容でそのまま発注していいのか不安
ということもあります。
「中小企業の商品・販促相談室」では、制作会社ではなく、発注する企業側の立場から「制作会社選び・発注支援」を行っています。
依頼内容を整理したうえで、候補となる制作会社や見積もりを確認し、自社ではどこを重視して選ぶべきかを一緒に整理します。