2026.08.12
制作会社選び・発注
ホームページ制作の見積もりの見方|金額だけで比較しない8つのポイント
ホームページ制作の見積もりは、金額だけ見ても判断できない
ホームページ制作を複数の会社に見積もってもらうと、同じような依頼をしたつもりなのに金額が大きく違うことがあります。
A社は50万円。
B社は80万円。
C社は120万円。
こうなると、
「50万円なら安いのか」
「120万円の方がちゃんとしているのか」
「そもそも適正価格はいくらなのか」
と迷うと思います。
ただ、ホームページ制作の見積もりは、金額だけを見ても良し悪しを判断できません。
制作会社によって、制作体制も違えば、得意分野も違います。
一人や少人数で制作する会社もあれば、営業、ディレクター、デザイナー、エンジニアなど複数人で担当する会社もあります。
見積書の書き方も、細かく項目を分ける会社もあれば、「ホームページ制作費」と大きくまとめる会社もあります。
だから、50万円、80万円、120万円のどれが妥当なのかを、金額だけで一律に決めることはできません。
大切なのは、自社が求めている内容がその金額に含まれているかを確認し、分からないところを制作会社に確認したうえで比較することです。
見積もりは、もらったら終わりではありません。
むしろ、見積もりをもらってからが比較のスタートです。
1.まずは、自社が頼んだ内容が入っているか確認する
見積書を受け取ったら、最初に総額を見ると思います。
総額を見ること自体は問題ありません。
ただ、その次に必ず確認したいのが、
「自社が頼んだことが、ちゃんと見積もりに入っているか」
です。
例えば、
・自社で更新できるようにCMSを入れたい
・サイト内検索を付けたい
・問い合わせフォームを作りたい
・スマートフォンに対応したい
・既存サイトからデータを移したい
・写真撮影もお願いしたい
・原稿も制作会社に作ってほしい
などの希望を伝えていたとします。
まずは、それらが見積もりに含まれているかを確認します。
安い見積もりでも、自社が必要としているものが抜けていれば、そのまま比較することはできません。
反対に、金額が高い見積もりには、他社では含まれていない作業まで入っている可能性があります。
まず見るべきなのは、
「高いか、安いか」
ではなく、
「頼んだことが入っているか」
です。
2.相見積もりを比較するなら、できるだけ同じ条件で依頼する
複数社から相見積もりを取る場合は、できるだけ同じ条件を伝えます。
A社には「原稿は自社で用意します」
B社には「原稿も作ってください」
C社には何も伝えていない
という状態では、当然金額が違ってきます。
これでは正確な比較ができません。
・目的
・必要なページ
・必要な機能
・CMSの有無
・原稿や写真を誰が準備するのか
・希望する公開時期
など、分かる範囲で条件をそろえて依頼します。
初めてホームページを作る場合、最初からすべてを完璧に決めるのは難しいと思います。
それでも大丈夫です。
分からないところは分からないと伝えたうえで、各社になるべく同じ情報を渡すことが重要です。
3.総額が違ったら「なぜ違うのか」を見る
例えば、
A社 50万円
B社 80万円
だったとします。
必要な内容は、どちらにも入っている。
それでも30万円違う。
この場合は、単純に「A社の方がお得」と決める前に、なぜ価格が違うのかを確認してみます。
・デザイン費が大きく違う。
・システムや構築費が違う。
・片方だけディレクション費が入っている。
・担当する人数が違う。
・専門の担当者が付く。
など、価格差には理由があることがあります。
ホームページ制作は、制作に関わる人や時間が費用に大きく影響します。
例えば、一人の担当者がディレクションからデザイン、実装まで行う会社と、ディレクター、デザイナー、エンジニアがそれぞれ担当する会社では、制作体制が違います。
複数の専門スタッフが関われば、その分費用が高くなることもあります。
ただし、
・人が多いから良い
・人が少ないから悪い
という話ではありません。
少人数でも幅広い仕事を高いレベルでできる会社はあります。
自社が必要としている内容に対して、その体制が必要なのかを見ることが大切です。
4.見積書が細かいから安心、ざっくりだから不安とは限らない
ホームページ制作の見積書には、会社によってかなり違いがあります。
例えば、
・企画、ディレクション費
・デザイン費
・コーディング、実装費
・CMS構築費
・フォーム、システム開発費
・原稿作成、撮影費
・保守、運用費
など、細かく分けている会社もあります。
一方で、
・ホームページ制作費
・保守管理費
くらいにまとめている会社もあります。
ここで気をつけたいのが、
「細かい見積書だから安心」
「一式の見積もりだから危険」
と、それだけで判断しないことです。
見積もりを細かくする会社は、制作範囲が明確で分かりやすい反面、見積もりに入っていない作業が発生した場合に追加費用になることもあります。
逆に、大きな項目でまとめた見積もりでも、制作途中の変更まである程度柔軟に対応してくれる会社があります。
もちろん、これも会社によって違います。
重要なのは、項目数ではありません。
自社が頼んだ内容が含まれていること。
そして、分からないところを確認したときに、内容をきちんと説明してくれることです。
5.見積もりをもらったら「こうなった場合はどうなりますか?」と確認する
ここが、ホームページ制作の見積もりを見るうえで特に重要だと考えています。
見積書を読むだけで判断を終わらせないことです。
ホームページ制作では、制作が始まってから変更したくなることがあります。
実際にデザインを見て、
「ここを変えたい」
と思うこともあるでしょう。
ページを作っている途中で、
「この機能も欲しい」
となることもあります。
これは、初めてホームページを発注する会社なら特に珍しいことではありません。
発注する側はホームページ制作のプロではないので、実際に形になって初めて気づくこともあります。
だから、見積もりをもらったら、
・デザインの修正はどこまで料金に含まれますか
・途中でページ内容を変更した場合はどうなりますか
・機能を少し変更したら追加費用になりますか
・ページを追加した場合はいくらになりますか
・こういうケースは今回の料金内ですか
といったことを確認してみてください。
例えば50万円と80万円の見積もりがあったとして、50万円の方はほとんどの変更が追加料金、80万円の方はある程度の修正や変更まで料金内だったとします。
最初は50万円の方が安く見えても、制作が終わったときには80万円の方が結果的に安かった、ということもあり得ます。
もちろん、ほとんど変更する予定がなく、条件も同じなら50万円の方が自社には合っているかもしれません。
だから、見積書だけで高い・安いを決めるのではなく、
「この見積もりで、実際にはどこまでやってくれるのか」
を確認することが大切です。
6.分からない項目は、そのままにしない
ホームページ制作の見積もりには、普段聞かない言葉が出てくることがあります。
・ディレクション
・ワイヤーフレーム
・コーディング
・CMS
・UI
・システム構築
など、初めて発注する場合は意味が分からなくても当然です。
分からない項目があったら、そのままにせず制作会社に聞いてください。
「これは何をする費用ですか?」
で十分です。
そこで、
・何のために必要なのか
・何をしてくれるのか
・今回のホームページにどう関係するのか
を説明してもらいます。
ここでの制作会社の対応も、発注先を判断する材料になります。
専門用語を使って説明されても分からないときは、
「もう少し分かりやすく説明してもらえますか」
と聞いて構いません。
ホームページ制作は、見積もりを出して終わる仕事ではありません。
その後、制作中に何度もやり取りします。
見積もりについて分からないことを聞いたときに、こちらが理解できるよう丁寧に説明してくれるか。
費用を下げたいと相談したときに、代替案を考えてくれるか。
こうした対応も含めて見ておくと、発注後のミスマッチを減らしやすくなります。
7.保守・運用費は「何をしてくれる費用なのか」を確認する
ホームページ制作では、制作費とは別に、
・保守費
・保守管理費
・保守、運用費
などが設定されていることがあります。
この内容は制作会社によって違います。
サーバーやドメインの管理だけの場合もあれば、Webサイトの更新作業や不具合への対応まで含まれている場合もあります。
サイトの規模や、どこまで対応するかによって金額も変わります。
そのため、
「月額1万円だから安い」
「月額3万円だから高い」
という見方はできません。
確認したいのは、
「この金額で、具体的に何をしてもらえるのか」
です。
見積書に内容が書いていなければ、制作会社に確認します。
ホームページは公開後も使い続けるものなので、制作費だけではなく、公開後にどのくらい費用がかかるのかも合わせて確認しておきましょう。
8.予算オーバーしたら「後から追加しやすいもの」から減らす
希望する内容を入れて見積もってもらったら、予算を超えてしまうこともあります。
例えば予算30万円に対して、40万円の見積もりが出たとします。
この場合、最初から自分たちだけで何を削るか決める必要はありません。
まずは制作会社に、
「予算が30万円なのですが、この予算に収める方法はありますか?」
と相談してみてください。
制作会社側から、
・ページ数を減らす
・原稿を自社で用意する
・撮影を後回しにする
・一部の機能を後から追加する
などの案が出てくることがあります。
削るときに考えたいのが、
「後から追加しやすいか」
です。
例えば重要度の低いページであれば、最初は作らず、予算ができてから追加することもできます。
写真も、サイトの構造上問題がなければ、後から追加できる場合があります。
一方で、CMSのようにサイトの仕組みに関係するものを後から追加すると、大きな変更が必要になることがあります。
サイト全体の設計やデザインの土台を後から変えるのも、大掛かりになりやすいでしょう。
そのため予算を削るなら、
・後から追加しやすいもの
・重要度の低いもの
・自社で対応できるもの
から検討するのがおすすめです。
逆に、後から追加すると大きく作り直すことになるものは、できるだけ最初に残しておいた方が結果的に負担を抑えられることがあります。
よくある見積もり項目の意味
制作会社によって項目名や含まれる範囲は違いますが、ホームページ制作では次のような項目が使われることがあります。
企画・ディレクション費
サイト全体の方向性を整理したり、制作を進行・管理したりするための費用です。
どこまで含むかは会社によって違うため、内容が分からなければ確認します。
デザイン費
ホームページの見た目を制作する費用です。
トップページと下層ページで金額が分かれている場合もあります。
コーディング・実装費
作成したデザインを、ブラウザ上で表示・操作できるWebサイトとして構築するための費用です。
CMS構築費
お知らせやコラムなどを自社で追加・更新できる仕組みを構築する費用です。
どのページを更新できるのかまで確認しておくと安心です。
フォーム・システム関連費
問い合わせフォーム、検索機能、会員機能など、必要な機能を構築するための費用です。
原稿作成・撮影費
Webサイトで使用する文章や写真を制作会社側で準備する場合の費用です。
見積もりに入っていない場合は、自社で用意する前提になっていないか確認します。
保守・運用費
公開後のホームページを維持・管理するための費用です。
何が含まれているかは会社によって違うため、具体的な対応内容を確認します。
相見積もりを比較するときの確認ポイント
複数の見積もりを並べたら、次の順番で確認してみてください。
まず総額を見る
自社が依頼した内容がすべて入っているか確認する
各社で条件が同じになっているか確認する
分からない項目や抜けている項目を確認する
大きな価格差がある項目の理由を確認する
どのような体制で制作するのか確認する
修正や仕様変更が発生した場合の費用を確認する
保守・運用費の内容を確認する
そして最後に、それぞれの制作会社へ分からないところを質問します。
この確認まで行って、初めて見積もりを比較しやすくなります。
ホームページ制作の「適正価格」は、自社の条件によって変わる
「ホームページ制作の適正価格はいくらですか?」
と聞きたくなると思います。
ただ、同じホームページでも、
・求めるデザイン
・ページ数
・必要な機能
・CMS
・SEOへの対応
・制作体制
・原稿や写真の準備
・公開後の対応
などによって必要な費用は変わります。
最終的にその金額が妥当かどうかを決めるのは、発注する会社です。
100万円でも、自社が必要としていることがすべて含まれていて、その内容に100万円を払う価値があると判断すれば、その会社にとっては妥当な見積もりです。
反対に、50万円でも、自社が必要としているものが入っていなければ、安いとは言えません。
だからこそ、相見積もりを取り、条件と内容を比較する意味があります。
見積もりは「もらって終わり」ではなく、もらってからがスタート
ホームページ制作の見積もりで大切なのは、見積書だけを見て発注先を決めないことです。
まず、
自社が求めているものが入っているか。
次に、
各社の条件がそろっているか。
そして、
分からないことや、制作途中に起こりそうなことを制作会社へ確認する。
そのやり取りをしたうえで、金額を比較します。
見積書だけでは見えなかったことが、質問することで分かってくることがあります。
50万円の見積もりが本当に安いのか。
80万円の見積もりには、なぜ30万円分の差があるのか。
その答えを確認してから、自社にとってどちらが良い見積もりなのかを判断すればいいと思います。
そして、ホームページは作って終わりではありません。
公開後も更新したり、ページを追加したり、改善したりしながら長く使っていきます。
金額はもちろん大切です。
ただ、最終的には見積もりの内容だけではなく、
「この制作会社と今後も付き合っていきたいと思えるか」
も含めて発注先を考えてみてください。
ホームページ制作の見積もり比較に迷ったら
複数の制作会社から見積もりを取ったものの、
金額がバラバラで比較できない
見積もりに必要なものが入っているのか分からない
制作会社へ何を確認すればいいのか分からない
この金額で発注していいのか判断できない
という場合は、中小企業の商品・販促相談室の「制作会社選び・発注支援」でご相談いただけます。
見積書だけではなく、依頼した内容や制作会社とのやり取りも確認しながら、発注する企業側の立場で比較・整理します。